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2015/12/31

トランス脂肪酸 に関する記事のご紹介

スマイルボディの松尾です。 マーガリンやショートニングをはじめ加工食品に広く使われている 悪い油 トランス脂肪酸 に関する記事が、日本経済新聞に掲載されていますので、ご紹介します。  
 

日本経済新聞 より

 

トランス脂肪酸、若い女性ご注意!! 心筋梗塞などリスク 米で原則禁止に

米食品医薬品局(FDA)は今年6月に「トランス脂肪酸」の食品への添加を2018年6月以降は原則認めない方針を打ち出した。トランス脂肪酸はスナック菓子やマーガリンに多く含まれ、心筋梗塞や虚血性心疾患などのリスクを高めるとされる。トランス脂肪酸はどの程度含まれ、日本人の摂取量はどのくらいなのか。気をつけなくてはならない点は何だろうか。

トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸と呼ぶ脂質の一種だ。トランス脂肪酸を取り過ぎると、悪玉コレステロールが増える一方で善玉コレステロールが減り、動脈硬化につながるといわれている。米国の調査では、食事で摂取したエネルギー量に占めるトランス脂肪酸の割合が2.8%に達する人は、1.3%の人に比べて心筋梗塞のリスクが1.3倍に高まるという。冠動脈疾患や虚血性心疾患などのリスクも高まるとされる。 ひとくちにトランス脂肪酸といっても、種類がいくつかある。動物由来のタイプは牛などの胃の中ででき、乳や肉に少量含まれる。
工業由来はドレッシングなどの植物油の脱臭処理工程で生じるタイプと、マーガリンなどの製造時に水素を加えて植物油を固まりやすくする際にできるタイプに大別できる。水素を加えるのは硬化油と呼ばれ、「FDAが原則禁止したのはこのタイプだ」と国立健康・栄養研究所の石見佳子食品保健機能研究部長は話す。 米国はこれまでもトランス脂肪酸に対する規制を実施してきた。米連邦政府は06年1月から加工食品の栄養表示について、トランス脂肪酸の含有量表示を義務化。ニューヨーク市などはレストランなどの食品で上限値の規制を制定した。今回の方針はさらに踏み込んだ格好だが、全面的に使用禁止になるわけではない。 トランス脂肪酸が含まれる食品の代表例が、マーガリンやショートニングと、それらを使う菓子パンやピザ、ケーキなどだ。日本では農林水産省が07年度に調査を実施。100グラムの食品が含むトランス脂肪酸はハヤシライスのルウが0.51~4.6グラム、クロワッサンが0.29~3.0グラムと多かった。厚生労働省の08年度の調査では、ピザは100グラム当たりに換算すると平均0.357グラム、ハンバーガーは同0.319グラムのトランス脂肪酸を含んでいた。
ただ、日本人全体でみると、トランス脂肪酸の摂取量は多くない。05~07年度に食品安全委員会と農水省がそれぞれ算出した推計では、平均摂取量は1日あたり0.7~0.962グラム。総エネルギー摂取量に占める比率は0.3~0.47%だった。 世界保健機関(WHO)が勧告する数値は1%未満なので、その範囲内にある。米国は1.9~2.0%(03~04年)、英国は1.0%(07~08年)なので、それと比べても低い水準だ。厚労省の「日本人の食事摂取基準」の今年度版では「日本人の摂取量で疾病罹患(りかん)のリスクになるかどうかは明らかでない」と記している。 しかし、食事をバランスよく取らないと摂取量が増える恐れもある。石見研究部長は「特に若い女性などは過剰摂取に注意してほしい」と指摘する。女子栄養大学が05~06年に20歳前後の女性25人に7日間の食事内容を記録してもらい、トランス脂肪酸の摂取量を算出した。1日分の食事で取る量は平均で1.17グラムだったが、このうちの3人は約3グラムを摂取し、WHOの基準を超えていた。いずれもトランス脂肪酸を多く含むフライドポテトや菓子パンなどを頻繁に食べていた。 東京大学が30歳以上の225人を対象に02~03年に実施した調査では男性の5.7%、女性の24.4%がWHO基準を超えていた。特に都市部に住む30~49歳の女性が多かったという。
トランス脂肪酸に関する規制は米国以外でも実施されている。デンマークやスイスなどでは食品中の含有量を規制している。カナダや韓国、台湾などは含有量などの表示義務がある。日本は消費者庁が11年に指針を打ち出し、食品企業などに含有量表示を勧めている。 食品メーカーなどではトランス脂肪酸の含有量を減らす動きも出ている。食品安全委員会による10年度の調査では、06年度に比べてマーガリンやショートニングの含有量を半分から10分の1以下に大幅に減らした企業が多かった。海外の動向や消費者の要望などが背景にあるとみられる。昭和女子大学の江崎治教授は「海外からの輸入食品も定期的に調べる必要がある」と話す。 トランス脂肪酸に関心が集まるが、それ以外の脂質にも注意が必要だ。武庫川女子大学の山本周美准教授は「飽和脂肪酸は単位量あたりの健康影響は少ないが、トランス脂肪酸より摂取量が多い。心筋梗塞のリスクに影響する可能性がある」と指摘する。石見研究部長は「脂質全体の摂取量を管理して取り過ぎを防ぐことが大切だ」と訴えている。  

食品表示の充実を 脂質の警鐘不十分

今年4月に施行された食品表示法では、飽和脂肪酸の含有量表示が推奨されており、5年後までに表示を義務化する方針だ。トランス脂肪酸については表示義務化の道筋は付いていない。武庫川女子大学の山本周美准教授は「日本の食品表示は欧米などに比べてシンプルだ。消費者個人が健康影響を判断する手掛かりとなる表示の充実が不可欠だ」と指摘する。 脂質の取り過ぎに伴うリスクの啓発活動も不十分だ。日本では数十年にわたる減塩の取り組みが奏功し、脳卒中などで命を落とすケースは減った。米国などに比べて平均的な摂取量が少ない脂質も、放置すれば心血管疾患の増加などにつながる可能性は高い。 野菜や魚、大豆を日常的に取る日本の健康的な食文化を生かし、自立した生活を送れる「健康寿命」を延ばす取り組みなどが重要だといえるだろう。 (草塩拓郎)

[日本経済新聞朝刊2015年9月6日]